『十五少年漂流記』は大人が読んでも魅力的な作品!

こんにちは。山内健輔です。

『十五少年漂流記』は子どものころに読んだことがある人も多い作品ですね。

私もいつだったのかわからないくらい昔に初めて読んだ記憶があります。
当時は、冒険の数々にワクワクしながら読んでいました。

最近もう一度読んでみたら、当時とはまた違った感覚で読んでいることに気づいたのです。

自分が成長したのか、それとも自分が社会の垢にまみれてしまったのか(笑)は分かりませんが、ワクワクというよりも子どもたちが心配で、ドキドキした思いで読んでいました。

今回は、大人になって読んだ『十五少年漂流記』の魅力について紹介していきます。

『十五少年漂流記』は大人が読んでも魅力的!

『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ 著
1888年 出版(原題は『ニ年間の休日』)
※ご注意
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確認してから購入することをおすすめします。

おすすめの人

こんな人におすすめ
◯アウトドア好き
◯冒険小説が好き
◯サバイバル小説が読みたい
◯子どもと一緒に読みたい
◯名作をもう一度読みたい
1860年2月、ニュージーランドがイギリスの植民地だった時代の話。
あらすじ
ニュージーランドの上流階級の子息が通う「チェアマン寄宿学校」の子どもたちは、夏休みにスクーナー船「スラウギ号」で旅行を計画していた。
旅行が楽しみで待ちきれない14人の子どもたちは前日に船に乗り込んでいたところ、なぜか綱が解けてしまい太平洋の海を漂流してしまうことになる。
乗り込んでいたのは、いちばん年上の子でも14歳。見習い水夫のモコも入れて全員で15名。
年長の子どもたちが中心となって、生還を目指す漂流冒険物語がはじまる・・・。
私が子供のころに読んだときには、少年たちの冒険に胸を踊らせながら読んだ記憶があるのですが、大人になって読んでみると「サバイバル」や「冒険」よりも、
  • 人間関係
  • 子どもたちの勇気
  • 仲間との協力

に主軸が置かれているように感じられました。

自分が読む時期によってこんなにも感じ方が違うんだなぁと思います。

とはいっても、無人島でのサバイバル生活がメインでもあるので、アウトドア好きの人やサバイバル生活に興味がある人、冒険小説が好きな人にとっては、格好の読みものです。

また、もとは児童向けの文学作品なので子ども(小学校中学年以上を推奨)も一緒に楽しめるので、「親子で読んで感想や見どころを話し合う」のもいいでしょう。

※児童向け版では、差別表現や残酷な表現が書き換えられているので、子どもと読むときは、そちらをおすすめします。

子どものころ読んだときには、ボリュームを感じていましたが、大人になって読むとそれほど長い小説でもないので、まだ読んだことのない人も気軽に読み終えられます。

だいたいの読了時間は、読むのが速い人で4~5時間が目安です。(角川文庫版・新潮文庫版は短め)

追記
完訳版が創元SF文庫版・集英社文庫版で出版されています。
こちらは角川文庫・新潮文庫の約2倍のボリューム。
読了目安時間はもっと長くなるでしょう。こちらは大人向けです。

少年たちが力を合わせてサバイバルする物語

『十五少年漂流記』の醍醐味は、

少年たちが力を合わせて困難に立ち向かう!

同じ漂流サバイバル小説の『ロビンソン・クルーソー』や『スイスのロビンソン』よりも生活のための物資は豊富なのが明るい条件設定。

ただし、メンバー全員が子どもというハンデがあります。
それに環境条件は過酷です。
ニュージーランドから漂流してたどり着いたのはなんと「南極に近い場所」。

その環境で子供どうしが自分の得意分野を活かしながら、勇敢に無人島生活をおくります。

さらにメンバーたちは自分たちで選挙を行い、大統領を決めるのです。

子どもだけの共和国

自分たちだけの世界でたくましく生きる姿に感動すら覚えます。

大人にとっても魅力的な作品

本の特徴
◯読みやすい
◯子どもでも読める
◯大人も楽しめる
◯テンポが速い
◯古く感じない
登場人物たちは、何人かがチームを組んで島を探検します。
島の奥に洞穴(ほらあな)を見つけてそこに移り住むことを決める場面。
幼いころ、放課後に近くの公園に隠れ家という名の「秘密基地」をつくって、おもちゃやお菓子を隠して遊んでいたのを思い出しました。
知らない公園を探検するときの気持ちも思い出させてくれました。
そんなこと、この本を読まなければ、思い出すこともなかったでしょう。
『十五少年漂流記』は、大人になって忘れてしまっていた「冒険する心」を思い出させてくれたんです。

あなたはこの本を読んでどんなことを思い出しますか?

時間とともに消えかけていた遠い記憶。
純粋だった子どものこころ。
楽しかった友達との思い出。

もう一度取り戻せるかもしれませんよ。

大人になっても大事なこと

十五少年漂流記を読んで感じたのは、子どものころと同じように大人になっても「おもしろい」って思えたこと。

ワクワクして読んだ物語を同じように楽しめたんです。

少し違ったこともあります。

当時は「自分も少年たちの一員」の目線で読んでいました。
でも、大人になって読んだときの目線は、親目線

私もひとりの子ども(現在2歳の娘!)の親になりました。
子どものころワクワクして読んだものが、いつの間にか「ドキドキハラハラ」に変わっていたんです。

自分が成長したのか、それとも臆病になったのか、どちらかはまだわかりません。
ただ、大人になって読んだ『十五少年漂流記』は、忘れていた「楽しかった冒険」を思い出させてくれるきっかけになりました。

この本が大人になっても魅力的なのは、少年たちが発揮した「勇気」と「誠実」「協力」が現代社会を生き残るサバイバルの秘訣だってことを教えてくれるからかもしれませんね。

最後に。

『十五少年漂流記』は1888年に出版された作品。
なんと19世紀!その当時、日本はまだ明治時代です。
今は21世紀。

140年以上も前の作品ですが、そんなに古くは感じないんです。

もちろん現代の倫理観では許容されにくい記述もあります(ネタバレになるので具体的には書けません…)が、その辺は私たち読む側が考慮するべきですよね。

ま、それはともかく、大人になっても『十五少年漂流記』は魅力的なので、すでに子どものころ読んだ人も読んでいない人も読んでみてほしいってことでした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

P.S.
子どものころ私が読んだほかの冒険小説も大人になってからもおもしろかったですよ。
こちらの記事もぜひ読んでみてくださいね。