こんにちは。山内健輔です。
今日は一気に読めてしまう小説をご紹介しましょう。
私は歴史小説や長編小説が好きで数多く読んでいます。
ですが、重いテーマや歴史ものを続けて読んでいるとちょっと疲れてしまうんですよね。
そんなときに気分転換に軽く読める小説があると便利です。
今回紹介する小説『新宿のありふれた夜』は、気分転換に読むのにピッタリ。
深く読むと深刻なテーマも見いだせるのですが、おもしろくてスリルがある、一気に読めてしまうストーリーなんです。
舞台や映像作品にもなったことがある作品でもあります。
短編小説ではないのですが、読みやすいので慣れた人なら3時間ほどで読了できますよ。
(個人差はあります!)
それでは紹介していきましょう。
小説『新宿のありふれた夜』2時間ドラマ的ストーリーで一気読み
記事執筆時点の情報です。記事ではできるだけ正確な情報を公開することを心がけていますが、金額、内容、出版社、その他の情報が変更されている場合があります。
確認してから購入することをおすすめします。
ちょっと気分転換したい人におすすめ
◯大人の青春ストーリー
◯スリルを味わいたい
◯軽い小説で気分転換したい
◯スピード感のある小説が好き
『新宿のありふれた夜』は1984年に出版。佐々木譲の初期の作品です。
『真夜中の遠い彼方』が改題されてこの本のタイトルになっています。
この作品の特徴は、
- ミステリーなし
- 激しい撃ち合いなし
- バイオレンス要素ほとんどなし
ってところ。
軽い気持ちで読めてしまうのが実にいいんです。
というと語弊があるかもしれません。
さりげなく世界の難民問題についても提起してもいます。
が、主題はそちらにはなく、あくまで「ある日の新宿の夜」がテーマ。
タイトルの通り、ひと晩で起きた出来事がストーリーになっている小説です。
ミステリーも撃ち合いもバイオレンスもないのにおもしろいの?
と思う人もいるかもしれませんね。
大丈夫!
この小説では、テンポよく、ドキドキな展開を味わいながら楽しめます!
なかなか痛快で読後感もいい感じなので、気分転換するにはもってこいの小説です。
一気読みできる痛快ストーリー
舞台は1970年代後半から1980年代にかけての新宿歌舞伎町。
酒場を任された雇われ店長が、ある事情で店を閉めることになった日の物語です。
ひと晩、といってもほんの数時間の出来事の物語なのですが、内容が濃い!
とくに取り柄もない主人公
ひとりの女性を追うヤクザ
発砲事件を追う警察
ケガをして酒場に逃げ込む少女
さらには、暴走族や居酒屋の常連たちが絡んできて、ひと晩のドラマが繰り広げられるストーリー。
気分転換には程遠い印象にみえますが、感情の起伏がない描写なのでスピード感とサッパリ感のある読み応えになっています。
それでいて、物語の緊張感とドラマチックな味わいはしっかりと感じられるつくりになっているから不思議です。
「ありふれてない」けどありそうな設定がおもしろい
一気に読める | ★★★★★ |
ドキドキハラハラ | ★★★★★ |
クライマックスが圧巻 | ★★★★★ |
酒場を閉める最後の日、仕込みをしていたら、外国人の女性がケガをして入ってきた。
その女性はなにかに怯えている様子。
何かを感じ取った店主はケガの手当てをすることに。
あとは、警察やヤクザ、常連客や氷屋の若者たちが登場して大騒ぎ!
そう、ありふれてはいないけど、ありそうなシチュエーションでもあるんです。
平凡な主人公たちが自分の正義を信じて強大な組織たちと壮絶な騙し合いをする物語は、なんだか大人の青春時代を描いているようでした。
最後に。
ドラマチックな展開とそれほどハードではない描写は、テレビでみる2時間ドラマのような物語ですね。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、ミステリーやバイオレンスがないのは読みやすく感じます。
長く、重い本の合い間に読むのにピッタリの小説だと思います。
同じ新宿歌舞伎町で酒場を営む小説のなかに誉田哲也の『歌舞伎町セブンシーズ』があります。
こちらはバリバリのミステリー&バイオレンス表現があり、読み応えのある小説です。
一緒に読むと楽しめますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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