人の文章を読むのも楽しくなる『バズる文章教室』三宅香帆著

こんにちは。山内健輔です。

書籍やWebサイト、チャットやSNS、読んでいて心地いい文章って、「おもしろい」と感じますよね。

そうなると、「自分でも何かを文章で表現したい!」と思ってくるもの。
でも、意外と文章で自分の気持や想い、主張を言語化するのって難しいですよね。

自分だけの表現力を身に着けたい!

そんな風に願っているあなたにおすすめの本。

『文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』三宅香帆 著
2019年6月 (サンクチュアリ出版)

読書をこよなく愛する著者が、さまざまな著名人の文章を独自の視点で分析。
多角的に文章の表現の方法を解説している本です。

「文章教室」なので、文章がうまくなりたい人に向けた本ではありますが、誰かの文章を読むのも楽しくさせてくれる内容です。
いわば「文章の楽しみ方」みたいな本。

文章術の本って、こうしなきゃダメ、これをしちゃダメ……、といった約束ごとばかりのものが多い気がしていました。
でも、この本を読むと、

自分らしく表現していけばいいんだ!

って勇気をもらえた気がしました。
自分の文章を好きになるために、ぜひ読んでみてください。

人の文章を読むのも楽しくなる『バズる文章教室』三宅香帆著

※ご注意
記事執筆時点の情報です。記事ではできるだけ正確な情報を公開することを心がけていますが、金額、内容、出版社、その他の情報が変更されている場合があります。
確認してから購入することをおすすめします。

自分だけの表現力を見つけたい人に最適

こんな人におすすめ!
◯自分の文章にいまいち魅力を感じていない
◯もっと文章がうまくなりたい
◯自分の文体をみつけたい

基本的には文章術の本なので、ひらがな・漢字の割合、句読点のつけ方、テンポ、情景の描き方、構成などについても書かれています。

さらにタイトルに「バズる」とあるように、人を惹きつける文章のポイントについても解説しています。

ただ、それだけじゃなくて、「いろんな表現力があっていい」って認めてくれるところが、書き手にとっては嬉しいポイント。

どうしても文章術の本を読むと「こうじゃなきゃいけない」「こうするべきだ」と押し付けられるようで、結果的に萎縮して書けなくなってしまう人もたくさんいたと思うんです。

ですが、この本のいいところは、自分なりの表現の仕方を認めたうえで、「こんな書き方もおもしろいよね~」っていうスタンスで解説してくれています。

そうすると自分の伝えたいことを自分の表現のしかたで、どんどん書いてみたくなりますよね。

いわば、「自分の文章を好きになる」ために読める本なんです。

著名人の文章を分析して解説

本書では、その秘密の法則を初めて公開します。文芸作家をはじめ、人気ブロガー、作詞家、脚本家、などなど、人気者たちがみんな使ってる、「つい読んでしまう」文章の書き方を読んですぐ実践できるよう、わかりやすくまとめました。

サンクチュアリ出版『文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』紹介ページより引用

この本の特徴です。

  • 文芸オタクが著名人の文章を分析
  • 50近くもの文章テクニックを例文つきで紹介
  • 文章を多角的な視点で解説
  • 多くのジャンルの文章を紹介
  • 1章ごとが短いので少しずつ読める
  • 例文(著名人の文)引用と解説がセット
  • 本の読み方、読みものとしても充分おもしろい

多岐にわたる分野の著名人の文章が例文として引用されています。
「名文」といっても、いろんな表現の方法があって、本当に人それぞれだと感じることができます。

一つの文章にひとつのテクニックが掲載されているので、自分に合った表現のやり方をみつけられます。

例文が50もあるので、一気に読むと頭がパンクして、なかなかテクニックを覚えきれません。
少しずつ読んで、一つひとつのテクニックを熟読しながら理解していきたいです。

名文(おもしろい文章)を集めて解説しているのですが、そもそも著者である三宅さんの文章もうまくて、読みやすいです。

「文芸オタク」はこんなところに注目して読んでいるのか~と思いながら読んでしまいました。

「文章の読み方」としても楽しく読むことができますよ。

いろんな表現力を学べる!

文章の本ですが、「文章の楽しみ方」のようにも読める本でもあるし、ただ読んでいるだけで楽しいエッセイともいえます。

文章をかくときに、どんな点に気をつけるか、だけでなく、どんな点に注目して本を読んだらいいかも教えてくれる本なんです。
この本を読んだことで、人の文章を読む楽しみも教えられた気がします。

いちばん印象に残ったのは、いろんな表現力を学べるのと、自分らしい表現力を認めてくれるところ。

  1. 相手に伝えるためには、論理的に書くだけにとらわれず場面によって情緒的に書いてもいい
  2. 読者の心情や感情にも訴えて説得、納得させることも大事
  3. 相手を惹きつけるために構成も考える

そんなことが学べる本です。

もともとの自分にはない観点からから、自分の文章を見つめ直すきっかけになりました。

読書の楽しみ方にも通じる文章本

引用されている多くの文章はもちろんですが、何よりも著者の表現力がわかりやすくて、読みやすい。
結局、わかったことは、心地よく読める文章はおもしろいと感じること。

読書するときには、その内容に注目してしまいますが、著者の三宅さんはどうやって伝えているかに着目しているといいます。

なるほど、そう考えてみると話のオチや主張をどこにもってくるか、全部を書き出すのか、想像させるのか、いろんな表現方法があることに気付かされます。

これから私も文章を書いていくなかで、自分に合う表現の方法を場面に応じて使い分けられるように磨いていきたいと感じました。
そして、この本を読むと「自分にもできるかも」と背中を押された気がします。

最後に。

すごくいい本で、ちょっとずつ読んで自分の力をつけたいのですが、ひとつ問題があります。

表紙とタイトル!

かわいいイラストで魅力的ではあるのです。もちろんタイトルも。
ですが、40も過ぎた男が外で堂々と読みづらいんですよね~。

そんなときはブックカバーが最適!
『バズる文章教室』は定型の起きさではないのでフリーサイズで調整できるものがおすすめ。
デザインや手触りがいいものを選ぶとお気に入り感も増していいかもしれませんね。

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