こんにちは。山内健輔です。
富樫倫太郎は、SROシリーズやSM(シークレット・ミッション)班シリーズ、スカーフェイスシリーズなど人気の警察小説をいくつも出版しています。
空気の読めない天才刑事が活躍する『生活安全課ゼロシリーズ』もそのひとつ。
そして、今回紹介するのがその続編。
杉並中央警察署の「何でも相談課」で多くの難事件を解決したことがきっかけで、今度は警視庁本庁の「特命対策室」に配属されることになります。
前シリーズでは、地域の不可解な事件が主でした。
今回は、空気の読めない小早川警部を警察上層部が「特命対策室」の雑用係として、監視下に置こうと画策することから物語が始まります。
破天荒に振る舞いながらも難事件を次々と解決していくストーリーは、痛快そのものです。
今シリーズもなかなか楽しく読める小説でした。
まだまだ続編が出そうな展開なので、末永く楽しめそうですよ。
今回もネタバレなしで紹介していきましょう。
(祥伝社文庫)2021年3月~
富樫倫太郎『警視庁ゼロ係小早川冬彦シリーズ』KY刑事が今回も大活躍
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確認してから購入することをおすすめします。
テレビドラマでも活躍の小早川冬彦新シリーズ
◯軽いテイストで刑事モノを読みたい
◯破天荒な天才刑事が活躍する警察小説を読みたい
◯難しすぎないミステリーを欲する
◯テレビドラマの原作を読みたい
前シリーズ『生活安全課ゼロ係シリーズ』の新シーズンといった位置づけでしょうか。
新シーズンになっても、生活安全課なんでも相談室のメンバーはかなり引き継がれていて、生活安全課ゼロシリーズを読んできた人は、親しみやすいはず。
とはいっても、新しいシリーズとして、以前のシリーズを未読の人もそのまま楽しめます。
テレビドラマも小泉孝太郎さん主演で人気があり、続編を望む声もあります。
富樫倫太郎さんの特徴である、丁寧な説明は今回のシリーズでも健在で、読書が苦手な人でも読みやすい警察小説と言えるのではないでしょうか。
ウィットのあるかけ合いでシリアス過ぎない!
どんな小説かというと、
破天荒だが天才的な刑事が難事件を解決する!
キャラクターは前シリーズのものを踏襲していますが、ところどころ新しいキャラクターに変わっているところもみどころですよ。
ただ、富樫作品はキャラクターやそれまでの流れの説明が丁寧にされるので、前作を読んでいなくても大丈夫。
主人公はなんせ、仕事はよくできるが空気読めない(KY)な性格なので、同僚たちとのかけ合いがなかなかウィットが効いていて楽しめます。
地域の所轄署(杉並中央署)から警視庁へと異動しているので、事件の規模も難易度も上がっている印象。
ただし、事件そのものは重大ではありますが、小早川警部や相棒の寺田巡査部長のコミカルなかけ合いによってシリアス過ぎず、ライトな感覚で読み進めることができますよ。
複数の事件が同時進行して、ややこしくなりがちです。
ですが、ひとつひとつの事件は複雑ではないのでストーリーも理解しやすい特徴があります。
テンポよく事件が進むので一気読み!
新シリーズになって、装い新たになった小早川シリーズですが、新たに創設された部署『特命対策室第5係』には、なぜだか前シリーズのメンバーたちも異動になっています。
すでにキャラクターの性格が確立している人物たちなので、前シリーズから続けて読んでいる人は同じテイストで楽しめます。
今まで小早川シリーズを読んでいなかった人たちでも、それぞれキャラが特徴的で、特命対策室のメンバーも少ないので馴染みやすいはず。
それに、ストーリー展開もテンポが速く、各1巻で事件は完結するので、まどろっこしいストレスもありません。
ただし、メンバー各自が抱える問題は、シリーズを通して描かれるので通して読む魅力もあるんです。
現在は2作品が刊行中。
2024年現在で、『警視庁ゼロ係シリーズ』は、2冊出版されています。
- 警視庁ゼロ係 小早川冬彦1 特命捜査対策室(2021年3月)
- 警視庁ゼロ係 小早川冬彦2 スカイフライヤーズ(2023年5月)
「小早川冬彦1」、「小早川冬彦2」とあるので、読む順番は間違えないで済みそうですね。
2冊とも読破しましたが、まだまだ事件は続きそう。
この先の展開も目が離せません。
ちなみに、前シリーズ「生活安全課ゼロシリーズ」については、別記事で紹介していますので、最初から読みたい人は参考にしてみてください。
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最後に。
現在、刊行中の2冊では、明らかに前シリーズ(生活安全課の事件)とは重大度合いが違います。
地域課でのちょっとした事件から全国規模で繰り返されている重大犯罪を扱うようになっているんです。
「犯罪に”重要度”はない」と叱られそうですが、今シリーズでは事件も難解になっているように感じます。
この先、どんな事件を小早川冬彦が解決していくのか楽しみですね。
私は、通勤の電車内で本を読むことが多いです。
とくに帰りは、疲労もあって脳に負担のかかる読書はつらい!
でも、富樫倫太郎作品は、描写や説明が適度に丁寧なので、深くまで思い出したり、考え込む必要がなく楽しく電車内を過ごすことができるのです。
何度か眠ってもいないのに乗り過ごしそうになってしまったこともあるくらいです。
これまで多くの富樫作品を読んできましたが、警察モノ、歴史モノともに帰りの電車には最適だと感じています。
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