こんにちは。山内健輔です。
「研究」って聞くと、
- 難しそう~
- 私にはムリ~
- めんどくさい~
- お金ないし~
っていうイメージですよね。
ですが、自分の好きなことやモノを観察して、それによって知識や興味の幅が広がることも、実は「研究」のひとつと言っていいのではないでしょうか。
私は小さい頃から昆虫が好きで、それに付随して植物や自然、その他の生き物たちにも興味をもてるようになりました。
もしかしたら、人によっては地理や化学、地学や地球環境問題へと興味が広がるかもしれませんね。
今回紹介する本は、子供も大人も大好きな(?)カブトムシの研究に関するもの。
カブトムシを研究する小島渉先生の著作です。
小島渉先生がどんな子供時代を過ごしたのか、どうしてカブトムシを研究するようになったのか、日々どんな研究をしているのか、などなどおもしろい話が盛りだくさんに書かれています。
虫好きじゃなくても大人でも楽しめる読みやすい書籍です。
わかりやすい表現で書かれているのでお子さんにもピッタリ(小学生の高学年ぐらい)。
カブトムシの観察をきっかけにして、いろんな分野に興味を広げてくれるかもしれません。
2017年2月(さ・え・ら書房)
飼育・観察の興味が広がる書籍『わたしのカブトムシ研究』
記事執筆時点の情報です。記事ではできるだけ正確な情報を公開することを心がけていますが、金額、内容、出版社、その他の情報が変更されている場合があります。
確認してから購入することをおすすめします。
虫に興味がない子どもにも読んでほしい!
◯昆虫好きの子ども
◯昆虫好きの大人
◯学者や研究について知りたい!
◯カブトムシをきっかけに興味の幅を広げたい!
カブトムシの研究について書かれている本なので、おすすめの人はもちろん、「虫好きの人」。
大人が読んでも楽しい内容ですが、ぜひ虫好きじゃない子ども(小学生高学年)にも読んでほしい本です。
カブトムシという昆虫はよく知られていて、飼育方法も確立されているので親しんだ人も多いはず。
ですが、意外にもその生態については知られていない部分も多いんです。
- 幼虫たちが密集しているのはどうして?
- 同じ容器で飼育した幼虫が一斉に蛹になるのはなぜ?
- 野生のカブトムシを食べている生き物の正体は?
- 同じカブトムシなのにずいぶん大きさが違うのはどうして?
- 幼虫どうしが振動や物質でコミュニケーションをとっている?
カブトムシを観察しているとさまざまな疑問が湧いてきます。
そんな疑問を身近な道具で、わかりやすい手法で解明していく小島先生の研究。
現代では、わからないことは「ググる」ことで解決してしまうことも多いですよね。
確かに手っ取り早くて、疑問はすぐに解決できるのですが、いまだに研究が進んでいない分野ではわからないことも……。
そんなときに自分で解決できる能力を身につけるための力になってくれそうな書籍なんです。
2時間で読める日本のカブトムシ専門書
カブトムシは、だれもが知っている大人気の昆虫だ。格好がよいし、強そうだ。でも、それだけじゃない。カブトムシを幼虫の時代から飼育・観察していると、いろんな不思議に気がつく。本書は、そんなカブトムシのなぞを解き明かそうと、調査・研究をしている若き研究者の記録である。
さ・え・ら書房『わたしのカブトムシ研究』内容紹介ページから引用
『わたしのカブトムシ研究』の特徴です。
- 小中学生向けの文章で読みやすい
- 図や挿絵が多く、想像しやすくわかりやすい
- カブトムシの知識が身につく
- 大人も楽しめる内容
- 約2時間で読了可能
- 安い!(¥1300)
小中学生向けに書かれている本なので、わかりやすい単語で書かれており、専門用語はやさしく解説してあるので生物関係に詳しくない人でも読みやすいです。
子ども向けといっても、大人にも違和感なく読めます。
ページ数も少なめなので、本を読み慣れた人ならほんの2時間ばかりで読み終わります。
夏休みの移動中にもピッタリの書籍ですね。
昆虫観察が「科学」になる楽しさ!
カブトムシを野外で観察したり、自宅で飼育したりしていると、多くの気づきや疑問が生まれますよね。
小島先生の研究は、そういった発見や疑問をいろいろな条件でデータをとって証明・解明していく作業。
で、その作業内容は、というと、
ザ・地道!
特殊な器具や機械が必要な場合を除いて、専門家でもない私でも、子どもでもできそうな作業が多いことに気づきます。
「科学」って、そうした地道な「研究」の繰り返しと積み重ねによって築き上げられたものなのです。
『わたしのカブトムシ研究』では、身近な発見や疑問を学問や科学に発展させていく過程が学べる本だともいえるでしょう。
カブトムシの不思議を論理的に解明していくのは、いま流行している「謎解き」にも似ていて、なんとなく心地よさを覚えます。
とくにおもしろいと感じたのは、カブトムシ愛好家やブリーダーが経験則として知っていたことを、データを使って解明する場面。「科学」のおもしろさが実感できました。
自分の好きなモノから興味が広がる。
確かに生涯の大半を地中で暮らすカブトムシは謎だらけ。
しかも成虫は夜の林でほぼ樹上生活。
昼間にみかけることは珍しい存在です。
もしかしたら、私たちの観察が大発見になる可能性もあるってことかもしれません。
自分の好きなものを観察していると、感性が働き、ひらめきが生まれます。
観察や飼育で感じた疑問を自分で方法を考えて解決する姿は、私が幼いころに読んだ『ファーブル昆虫記』を彷彿させられました。
カブトムシはみているだけでも造形が美しくて魅力的ですが、飼育して観察することにも楽しみが広がります。
そこからまた、いろいろな疑問や学びが生まれてくるのです。
- カブトムシマットはどうやってつくる?
- 樹液がでるのはなぜ?
- なんでツノはオスにだけある?
- 成虫は昼間どうしている?
- メスはどんな場所に卵を産む?
などなど。
疑問を解決する過程では、複数の分野の知識も必要ですね。
カブトムシ観察がいろんな知識への興味の幅を広げる可能性があるんです。
最後に。
本の紹介のはずが、「カブトムシ観察の薦め」みたいな結論になってしまいました(笑)
小島渉先生の著作に『不思議だらけカブトムシ図鑑』や『カブトムシの謎をとく』もあります。
内容は似ていますが、『わたしのカブトムシ研究』はもう少し子ども向けに書かれています。
どの本もカブトムシ好きにはたまらないおもしろさです。
ぜひどれかひとつでも読んでみてほしい著作ですよ。
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