こんにちは。山内健輔です。
柴田哲孝の人気シリーズ4作目。
『ミッドナイト』。今回の主役は田臥警視。
このシリーズは、IQ170超えの笠原親子と公安刑事、田臥健吾が順番に主人公となって「悪」と戦うストーリーです。
主人公たちが常人離れした能力を発揮して、協力しながら巨大な敵の陰謀を阻止する流れが多いのですが、おもしろい!
推理や謎解きといった要素はほとんどないものの、スリル&サスペンスでハラハラドキドキの展開は今回も引き継がれています。
今回もネタバレなしで紹介していきます。
2020年12月(双葉社)
柴田哲孝『ミッドナイト』極上のスリル&サスペンスが楽しめる作品。
記事執筆時点の情報です。記事ではできるだけ正確な情報を公開することを心がけていますが、金額、内容、出版社、その他の情報が変更されている場合があります。
確認してから購入することをおすすめします。
スリルある小説を読みたい人に最適
◯迫力あるスリル&サスペンスが読みたい!
◯デッドエンドシリーズ(田臥健吾シリーズ)のファン
◯スピード感あふれる小説が読みたい。
◯車が好き
柴田哲孝ファンなら知っているかもしれませんが、著者は車と銃器には格別くわしい知識をもつ人物です。
今回の「仕事」の背景にある国際情勢がらみの案件に関しても「現実にありそう」なので、ハマります。
登場する女性たちの能力が高く、魅力あふれるストーリーです。
物語展開が速くて中断できない!
この本の特徴は、
- ド派手な戦闘シーン
- 息を呑むカーチェイス
- スパイと国家機密の攻防
- スピード感のある展開
- 文章でスリルを感じるおもしろさ
プーチンも戦慄する重大な軍事機密とは!? 次期警察庁長官候補の大江から非公式のオファーを受けた警察庁公安〈サクラ〉田臥は、ロシアのスパイ親子を青森から警察庁に陸路で連れていくことに。戦闘機F35の重大な秘密を握る親子に、次々と敵が迫り来る。日米ロの諜報員が対峙する緊迫のサスペンス大作。好評シリーズ第4弾!
双葉社『ミッドナイト』紹介ページから引用
今回の作品は、現代の日本で繰り広げられる大規模な戦闘シーンの数々。
なかなか今の日本を舞台にして、大きな銃器を使った戦闘シーンは描きにくいはずですが、『ミッドナイト』では「そんなの関係ねぇ~』とばかりにド派手な戦闘を繰り広げます。
しかも、巧緻に感じるのは、その後もうまく事後処理(多少、無理はありますが)していること。
展開が速く、次から次へと問題が発生してくるので、その先が気になってページをめくる手が止まらなくなるほどです。
スリル&サスペンスだけどサバイバル冒険小説でもある!
見えない敵からの逃走と戦闘のストーリーは、ジャンル的にはスリル&サスペンス。
ですが、東北地方を中心とした舞台で繰り広げられるサバイバル冒険小説ともいえます。
「少ない資源で脅威から身を守りながら、生き延びる!」
登場人物の知識とスキル、限られた資源の中で数々の困難を乗り越えていく姿は、まさに冒険小説でしょう。
現代のテクノロジーを駆使しながらのサバイバル。
冒険小説が好きな人にもおすすめできる小説です。
追われる側の田臥もカッコいい。
みどころは、スパイが掴んでいる機密情報の中身。
詳細は明かせませんが、その機密情報を巡る各国の攻防が、現実的で本当にあり得そうなこと。
そして、それに対する日本の対応も、いかにも!って感じでリアリティにあふれているのです。
しかも、発端となった事件は、2019年に実際に起きたもの。
『ミッドナイト』はフィクションなので、もちろん物語は創作ですが、著者の柴田哲孝さんはノンフィクションでも有名な人物です。
ノンフィクションで書けないことをフィクションとして書いたんじゃないか?な~んてことも勘繰ってみたくなる物語の真相でした。
今回の作品は、いつも追う側にいる田臥警視が「追われる側」にいるのも特徴。
執拗に追い詰められる田臥はどうやって機器を乗り越えるのかが本作品のみどころです。
また、二人揃ってIQ170以上の天才親子、笠原武大&萌子がどんな形で登場するのかも楽しみにしてほしい作品です。
読んでいて一気に読み進めたくなる本で、身近な人にも勧めたくなる本でした。
単発でも読めますが、シリーズ通して読むと登場人物にも一層、感情移入できます。
ぜひ、デッドエンドシリーズ(田臥健吾シリーズ)を読んでみてほしいと思います。
デッドエンドシリーズの紹介記事
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最後に。
デッドエンドシリーズの作品ごとに出てくる敵(ヒットマン)が不気味で手強いのが特徴です。
ただ、その後ろにいる黒幕はもっと強大なことを匂わせているんです。
黒幕の正体に着目して、シリーズを読んでいくのもおもしろいですよ。
デッドエンドシリーズ第1弾『デッドエンド』(笠原親子が主人公)
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