こんにちは。山内健輔です。
小説を読む理由は人それぞれですが、「純粋にエンターテイメントを楽しみたい」ってところもあるはず。
とくに登場人物に自分を当てはめて、感情移入して読むとおもしろいですよね。
そんな登場人物がスパーヒーローだったら、爽快感も得られます。
柴田哲孝のデッドエンドシリーズに登場する人物たちは、私にはない頭脳と身体能力を併せ持つスーパーヒーローのような存在たち。
そんな人物たちが、巨悪の陰謀に立ち向かうデッドエンドシリーズ(田臥健吾シリーズ)。
今回紹介するのはその第3弾。
『デッドエンド』、『クラッシュマン』に続く『リベンジ』では、日本の原子力発電に関わる陰謀と主人公たちが対決するストーリーです。
ハイテンポ、スリルあふれるエンターテイメントになっています。
2018年10月(双葉文庫)
原発を巡る利権と陰謀に立ち向かう父娘が活躍!『リベンジ』柴田哲孝著
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スーパー女子高校生が主役!
◯スリルあふれる小説が読みたい
◯小説はエンターテイメントだ!
◯女性版ハードボイルドが読みたい!
『デッドエンド』、『クラッシュマン』に続く、デッドエンドシリーズ(田臥健吾シリーズ)の3作目の小説です。
単独で読んでも充分に楽しめる作品ではありますが、1作目の『デッドエンド』から読むと背景がよくわかってより一層楽しめるはずです。
『デッドエンド』『クラッシュマン』で活躍するキャラたちが、『リベンジ』でも登場してストーリーを盛り上げます。
ハラハラする展開がこのシリーズの特徴で、現実離れした人物たちが登場しながらも、リアリティあふれる陰謀が織り混ざる物語はエンターテイメントそのもの。
癖になるおもしろさで一気読みできてしまう作品ですよ。
スリルあふれるエンタメ小説。
IQ170の天才女子高生が原発に群がる悪い奴らをぶっ倒す! 笠原武大と萌子の父娘が何者かに襲われた。父は囚われの身となるが、娘は辛くも逃げ延びバイクで南を目指す。一方、警察庁公安課〝サクラ〟の田臥と室井は、父娘失踪の報を聞き、三年前の萌子誘拐事件の主犯である日本神道連議会の板倉勘司の関与を疑い、動き出す。
双葉社『リベンジ』紹介ページより引用
『リベンジ』の特徴です。
- IQ高く、強いスーパー女子高校生が主人公
- スリルあふれる展開
- 派手なアクションシーン
- テンポが速く一気読み
- 常人離れした登場人物
- リアリティのある陰謀
作者の柴田哲孝さんは、ノンフィクションも書く作家。
アウトドアや釣り、車など多彩な造詣からくる読み応えのある作品が特徴です。
デッドエンドシリーズは、スリルあふれるエンターテイメントなのが持ち味。
なかでも、浮世離れした能力をもつ笠原父娘(父:武大、娘:萌子)と警視庁公安部の田臥健吾が活躍します。
おもに構図は、笠原父娘と田臥健吾が巨悪に対峙するもので、複雑な構図はないのでわかりやすく、感情移入しやすいです。
人の怖さと温かさがみどころ
今回のみどころは、スーパー女子高校生が闇の組織からどうやって逃亡するか。
さらに、捕らえられた父親・笠原武大の命運。
敵は、原子力発電所の利権を守ろうと必死な大物。
序盤で黒幕は誰かが分かるので、ミステリー要素はほとんどなしで、スピード感あふれるサスペンスなエンタメを楽しむ小説です。
利権に目がくらんだ黒幕、カネに目がくらんだ男たちが父娘を追い詰めていきます。
一方、主人公父娘を助けるのも人の優しさ。
その対比がストーリーに奥深さを演出しています。
また、アクションシーンもシリーズのみどころでもあります。
意外な人物の戦闘シーンも描かれていて、ハードボイルド小説としても楽しめますよ。
デッドエンドシリーズの紹介記事です!
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原発をめぐる陰謀にはリアリティがある?!
スーパーヒーロー的な人物たちが巨悪に立ち向かうシリーズです。
主人公側の人物たちは総じて魅力的、反対に敵側の人物たちは悪役に徹底するところは小気味よく感じます。
スリルあふれる展開が魅力の作品ですが、現実の社会問題がリアルに練り込まれるストーリー。
自分には遠い存在だと思っていた事件や社会問題にも興味をもつきっかけになりました。
とくに今回のテーマのひとつ「原発問題」。
今回の陰謀や秘密に関する記述は、事実なのかフィクションなのか分かりませんが、これが真実であれば恐怖に感じます。
今までは他人事に捉えていた原発問題にも「自分なりに向かい合わなければいけないな」と自省させられる作品でもありました。
最後に。
前作までに登場した人物や今回初登場する同級生親子がいい味を出していて、オールスター的な作品になっています。
ぜひ他のシリーズ作品も一緒に読むことをおすすめします。
デッドエンドシリーズ(田臥健吾シリーズ)
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