こんにちは。山内健輔です。
最近の作品では珍しくなったともいえる、日本を舞台にした「ドンパチ」ありのアクションストーリー。
柴田哲孝作品の『デッドエンドシリーズ』(田臥健吾シリーズ)は、そんなの関係なしにド派手な戦闘を繰り広げます。
今回紹介するのは、その『デッドエンドシリーズ』の第5作目。
2022年11月(双葉社)
天才父娘や万能な公安刑事が巨悪な組織と知力と体力で立ち向かうのが魅力のシリーズです。
今作もなかなかハチャメチャな展開でありながら、スリルとサスペンス、ド派手なアクションを楽しめるストーリーです。
今回の『ブレイクスルー』でこのシリーズも一段落を迎えるということで、今まで活躍したキャラクターたちも大集合。
「元ネタ」の謎にも興味を惹きつける柴田作品の手法も健在です。
シリーズ作品を読んでいなくても楽しめる作品でもあります。
今回の記事でもネタバレなしで紹介していきましょう!
ハリウッド並みの派手なアクション!柴田哲孝『ブレイクスルー』
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確認してから購入することをおすすめします。
デッドエンドシリーズのファンは絶対に読みたい!
◯『デッドエンドシリーズ』(田臥健吾シリーズ)のファン
◯いろいろなバイクが出てくる小説が読みたい!
◯娯楽として小説を楽しみたい!
◯派手なハードボイルドを読んでみたい!
デッドエンドシリーズは、二人揃ってIQ170以上の天才、笠原父娘と公安刑事の田臥健吾が順番に主人公になるシリーズです。
日本が抱える問題とその利権、背景に鋭いメスを入れながらストーリーが展開するのが魅力。
さらに、シリーズが進むにつれて登場するキャラクターも特徴が固定されてきて、どんどんおもしろくなってきます。
とくに敵役(かたきやく)の一人。
シリーズに最初に現れたときは謎が多く、不気味で手強い存在だったのですが、登場を重ねるごとに背景が明らかになり、読み手も感情移入させられていくんです。
今回はその敵役も大活躍。
さらに魅力的なキャラクターも登場して、ドキドキハラハラの展開に。
読みだしたら、なかなか中断できずにページをめくってしまいますよ。
デッドエンドシリーズの紹介ページ
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先が読めないスリル&サスペンス
『ブレイクスルー』の特徴は、
- 展開が全く読めないスリルとサスペンスが味わえる
- シリーズの主な登場人物がほとんど登場する
- ド派手なアクションシーン
- 北の元工作員・裏社会・政治家が絡む大規模抗争に発展
- ハチャメチャな展開でありながらもハードボイルド感漂う!
- スピード感あふれる展開
- シリーズの敵役との関係は?
先が読めない展開が魅力の作品なだけに、何を書いてもネタバレになりそうなのが今作の特徴といえるでしょう。
何人もの視点で事件を追っていくので、しっかり読んでいかないと背景や人物関係が混乱しそうですが、今までシリーズを追ってきた人なら大丈夫。
初めて読む人も、背景説明が巧妙に展開されていくので読めるはず。
この作品をきっかけにシリーズにハマる人もいるかもしれません。
ハチャメチャな展開とスピード感が魅力
大学四年生の萌子は、怪しい人材派遣会社『キマイラ』の就職説明会から戻ってこない同級生が心配になり淡路島に様子を見に行く。だが、何故か賞金首となってしまい、ヤクザに追われるハメに。IQ170の天才女子大生はこのピンチを突破できるのか。大好評の「デッドエンド」シーズン5、萌子とヤクザと警察の三つ巴の闘いが始まる!
とにかく、序盤からドンパチが始まり、中盤、後半にも4つの勢力が「バトルロイヤル」のようにやり合うのが魅力です。
その中でも、今回のシリーズではバイクが多用されていて、バイク好きは楽しいかもしれません。
そして、激しいアクションシーンと同時に、スピード感あふれる展開で読者を飽きさせないのも特徴のひとつ。
また、新しく登場する謎の登場人物が、抗争に絡んできて、ハラハラドキドキの連続です。
おもにプロレスで行われる、3組以上のチームで争われる生き残りバトル。
敵同士が組んで、もう敵対する相手と闘ったり、裏切り行為があったり。
最後に生き残ったチームが勝利となる試合形式。
日本で起きている問題を知るきっかけに。
読んでいると「そんなことできるか!?」という場面も多々。
ですが、それも愛嬌。
ハリウッド映画のようなエンターテイメントとして楽しみましょう。
そんな中でも、読ませる部分もあるのが柴田作品のいいところ。
作者はノンフィクション作家としても有名な人物です。
フィクションとなる『デッドエンドシリーズ』では、日本全国の地域で起きている問題を題材に使っているんです。
今回の『ブレイクスルー』では、淡路島で起きている巨大企業と地元社会の軋轢を問題にしています。
実際には、元ネタを大きく脚色して、ハチャメチャストーリーとしてエンターテイメント化しているんです。
私も、この『デッドエンドシリーズ』を読んだことで、原発問題や戦闘機購入の問題にも興味をもつきっかけになりました。
完全に娯楽小説ではありますが、社会問題ともリンクさせて楽しむことができる小説なんです。
最後に。
『デッドエンドシリーズ』は、それぞれ単独で読んでも楽しめますが、ここはぜひ、シリーズ1作目から読んでほしいところ。
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いずれも双葉社より刊行中です。
登場人物たちと主人公たちとの関係性がより深く楽しめますよ。
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